「俺はまだ勝負する」 難病と闘う老舗和食店の創業者、79歳の半生
「こんなよくわからない企画に来てくださって本当にありがとうございます」――。2月中旬の夕方、広島県熊野町の老舗和食店で開かれた「記者会見」は、そんな感謝の言葉から始まった。
穴子せいろや、すし、天ぷらなどで地元に親しまれてきた熊野町の「おか半 総本店」。定休日のこの日、創業者の自伝的小説「なにくそ!ライゾウさん 僕のオヤジの負けない物語」の出版が報告された。熊野高校の生徒たちや本に登場する地元の人たちも質疑応答に加わって店内は満杯になった。
「ライゾウさん」とは創業者の岡崎磊造(らいぞう)さん(79)のことだ。重症筋無力症という難病で2年前から寝たきりの生活を送る。人工呼吸器を着けており声が出ないが、この日は病室からオンライン参加し、ホワイトボードに思いを書いて伝えた。
「僕」は次男で社会福祉士の岡崎正明さん(48)。会見冒頭で謝辞を述べ、「ライゾウさんと一緒に作った本を、そして病気に倒れても夢を持って生きていけるんだということを、多くの方に知って頂けたら」と話した。
出版のきっかけは、正明さんが、病に倒れた磊造さんの病室の荷物から大きめの茶封筒を見つけたことだった。
ホワイトボードに「出版してくれ」
中にはA4用紙50枚ほどの…
この記事を書いた人
- 副島英樹
- 編集委員|広島総局駐在
- 専門・関心分野
- 平和、核問題、国際政治、地方ニュース
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